――結納を交した蒼鳥の男神様と白鳥の女神様は、自分達の国をウエストリアと名付けました――


さて、ウエストリア王国は神々の愛し子、ウエストリア家と王国が一つになる前 の元々の王家であった、ライズ、フラット、シトラス家によってしばらく穏やか な時代を送りました。
元々栄えていた産業は更に発達し、他の国からも一目置かれる存在になりました 。
どんな国民も、きっとこの平和が続くと思っていたでしょう。
どんな国民もまさかこんな事になるとは思いもしなかったでしょう。
まさか

国の象徴である男神様と女神様が争う事になろうとは……

事の真相は幾多もの言い伝えはありますが、はっきりとは解っていません。
ただ、お互い国をまとめてまで共に未来を望んだ二人の愛は長く続かなかったの です。
二人の神が仲違いすると、一つになりかけていた国民達も分裂し、争い始めまし た。
……それでも国が滅びなかったのは時の王、ウエストリア史上最大の賢帝、ルピ ナス王の健闘の結果です。
――しかし、それだけで事が済むはずはありませんでした。
男神様と女神様は、ウエストリア王家にある呪いを与えました。
百年に一度、男神か女神――蒼鳥か白鳥かどちらかの強い属性を持ち、国を滅ぼ す宿命を受けたの王子が生み落とされるという。
その王子の呼び名は……









「終末の……王子…か。」



砂埃りが舞い散る戦場で何処か幼さを残した声が淡々と響く。しかし前を駆け抜 ける怒号とぶつかりあう金属男がただちにそれを掻き消してさまった。
戦地。人の生き死にがここまであっさりと、むごたらしく選定される所があるだ ろうか。いや、ない。少年は首を横に振る。
その少年は、崩れ落ちた壁(昔は家でもあったのだろうか)に上半身を預け、乾 いた地べたに座り込んでいた。片手には古ぼけた書物、もう片方には少年の身体 にはいささか大きい大剣が握られている。
少年は本に目を近づけ、続きを読み解こうとした。しかし辺りの騒音がうっとお しかったのか、諦めた様にそれを閉じ、そのまま頭を下げて瞳を伏せる。肩より 少し長さのある髪がさらりと、痩せた胸元にかかった。
年の頃は12、3であろうか。戦地には似ても似つかない痩せこけて小柄な身体だ。
手首などは異常なまでに細い。それが覗いている白い衣は彼にはいささか大きす ぎて、華奢さを更に強調している。
しかし、戦場という場をわきまえた上での彼の態度、その無防備さにおじげつい て彼の周りには滅多に人はよってこないのだ。少年自身もそれをよく承知してい て残った時間を昼寝にあてるつもりだった。
だが、今日はなかなかそう甘くはいかないらしい。
「おい、お前フラットの兵だろう?」
「……。」
少年は諦めた様に書物を置くとその場に立ち上がった。背丈はやはり低い、だが 不思議と堂々としている様に見える。
地と同じく精気を失ったからからの風が土と血の臭いを送り込んだ。それにあお られ少年のサラサラとした髪が巻き上げられる。
「……なかなか美人さんだな。あぁ、勿論女だったらの話だが。それと、少し細 すぎるなぁ。」
少年に声を掛けてきたのは二人の兵士だった、勿論敵である。そろそろ敗走が始 まった頃だとふんでいたのだが、一つでも多く手柄を取りたいのだろう。
見た所彼らはそれなりの教養ある武人らしく、無体な事をしてまでも手柄を取る というよりは仁義を重んじて少年に勝負を申し込みたいという雰囲気だった。だ が全く少年には迷惑極まりない事に違いない。自分の気乗りしない心を察した様 に相手は言葉を掛けてきた。
「ここにいるという事はそれなりに腕に覚えがあるのだろう?尖兵で勝負をつけ るのがお前達フラット流だ、是非手を合わせたいものだな。」
「…ですが隊長、こいつは少し小さすぎやしませんか、まだやっと10をいくつか 過ぎたばかりでしょう。」
もう一人の兵士の言葉に少年は思わず眉を潜めた。これでも自分は15は数えているはずで 、一応この国では成人を迎えているのだが。
少年はまたちいさく息をついた、もう戦闘は避けられない事を悟ったのである。
そして初めて、少女の様に小さく可憐な唇を開いた。
「……どっちがいい?」
予想外に低く、重みのある声だった。驚いて少年を凝視する二人の兵士に、少年 はゆっくり、もう一度尋ねた。
「…捕虜となって拷問に苦しみもがき死ぬか、今ここでぼくの手によって殺され るか……どちらをの望む?」
幼さの残る声に載せられた想像も出来ない様な暴言に、兵士達はしばらくの間色 を失った。風が、また強くなびき少年の美しい髪を踊らせる。今まで気にも留め なかったその描く色彩を今度ははっきり意識する。
銀色の髪に藤色の瞳。
この国でもっとも高貴な二色に彩られた、一人の少年。
「……面白い。その言葉、忘れるなよ。」
それが戦闘開始の合図。しかし気づいた時には、彼らの前から少年は姿を消して いた。
そして、それ以上の記憶を彼らは持っていない。



どたんと言う音と共に砂埃が舞い散った。片腕で口元を防ぎ、少年はそっと息を 吐き出した。
刹那せつな、左手の甲に軽い痛みが生ずる。真新しいすり傷から流れる赤を眺め 、心中で舌打ちした。どうやら今目の前に倒れている兵士達が剣を取り落とした 時、主を失ったそれがかすったのだろう。主を失ったほうが人を傷つけるという のもおかしなものだが。
少年はぼんやりと敗者達を見つめた。急所に打撃を与えた程度で致命傷も防いだ から時期意識を取り戻すだろう。殺さなかったからには縛り上げなければならな いのをよくわかっているのだが少年は悩んだ。何故か、彼は剣と本以外全く何も 持っていないのだ。
思案している少年の横顔は落ち着いているものの、これはなかなか由々しき事態 である――。
「お〜い、スワン!平気か?」
少し離れた所から自分の名前が発された。驚くまでもなく少年は振り返る。
後ろの荒れ地を数人の青年兵士がやって来る所だった。
「……まぁ、お前なら心配することもなかったな、ご愁傷様。」
始めに近づいて来たスワンより二つ年上の兵士が倒れている犠牲者二人にふざけ て瞑目した。
「確かに不幸だよなぁ、スワン見た目は可愛いから。」
「俺心からこいつが仲間で良かったと思ってるぞ〜」
なでなで。いつの間にやら少年の周りに更に別の兵士達がよって来て彼の頭をあ やすように撫で始めた。少年は強くそれを睨み返す。何せ彼らは自分とほとんど 歳が変わらない、それなのにこの扱いは全く嬉しくない。
しかし少年の目線はたかが彼らの胸の辺り、そこから睨みつけられると兵士達に とっては大きな目が必死に見上げている様にしか見えないのだ。
「ああ〜やっぱ可愛いなぁ、よしよし。」
「……五月蝿い。」
態度を改める様子のないない二人に少年はぼそりと返す、そしてその一人の兵士の腰から消毒用の薬酒を分取ると、左の傷 口にてきとうにかけた。それから誰かによって縛り上げられた敵二人の傷にも情 けでかけてやる。ちいさくうめき声がもれたが少年は振り返らず、さらに一人の 兵士の前で立ち止まった。視線を上げて、睨みつける。
「…どうした?スワン。」
兵士は不思議そうに尋ねた…彼を見つめる少年――スワンの顔は、明らか に怒っていたのだ。兵士が当惑しているとスワンはドスの入った声でこうまくしたて る。
「……お前、怪我しているならさっさと見せるんだ!!平気な顔して歩ってるん じゃない!!!」
直後、先程までの戦場は笑いの渦に包まれた。



平等軍フラット。王家に背き国を変えんと欲っす個人軍隊だ。中心にはかつての 大貴族フラット家がいる。
裕福なものの身分差の激しいこの国でここに入隊するものは結構いる。特に元々 あまり国軍が強くない東のライサーク地方ではなおさらだ。
そして二年前からスワンもここに無理矢理入隊させられた。
スワンは軍で一風変わった少年だった。
歳が若く小柄で異常に細い。だが彼の剣術にまともに対抗出来る者はほとんどい ない。小さな身体からは予測不可能の技術を彼は持っていた。
その上、頭脳明晰。文字も解さない兵士がいる軍の中で彼の知能はずば抜けてい た。危険を察するのも早く正確で大抵の兵士達はこの面では軍隊長よりスワンに 従った。暇な時間は何桁もの数を地面で計算したり読書をしたりしている。
それだけでも十分珍しいのに彼は更に面白い。戦の最中平気で昼寝をしたり本を 読んだり。面倒見がいいのか誰かに何かあると真っ先に対処するのも彼だ。小さ な少年が立派な兵士を世話する様子ははたからみてなかなか滑稽である。そう、 彼は人を惹き付ける。だが、それはこんな性情のばかりではない。彼に初めて出 会った人間は誰でも、まず揃ってこう尋ねるのだ。
「お前は王族なのか。」
スワンはその度に首を振った。髪や瞳の色が似ているだけだと、そう親を知らな い彼自身が信じていた。
砦の自分の場に戻りスワンは本を広げていた。しばらくすると文字を照らしてい た光が影ったので顔を上げる。
するとまだ三十を過ぎたばかりの若い棟梁が自分の前に座り込む所だった。
「久しぶりだな、どうだ最近の調子は。」
「……そう思うなら食事の量を増やして下さい。」
「おお、増やしてやろうとも。但し人参と鶏肉に限ってな。」
小馬鹿に為たように笑う主にスワンは眉一つ動かさず本に視線を戻した。
「こら、怒るなよ。そもそもお前の好き嫌いが激しいのが悪いのだ。」
好き嫌いがなければないで食事の量は変わらないのをよく知っているスワンは迷 惑そうに口を開いた、今日は野次馬はいないがスワンの主に対する態度は軍の中 で奇異の目を常に向けられている。
「用事は何ですか、書見の最中なので手短に。」
「なら希望通り簡潔に言うが……明日になったらお前は第二隊に転勤し、それら と共にシグヌス地方のシトラスに入り、シトラス家の援軍を阻止する事を命ずる 。」
主の言葉にスワンは大きな瞳を見張った。
「ぼくに、シトラスに行けと?」
「あぁ、言葉の通りだ。」
彼の台詞が未だ信じられず、スワンはもう一度聞き返した。
「……貴方はぼくを何処で拐ってきたか覚えてないのですか?ぼくが…逃げたら どうするんです。」
試す様な視線で彼を見上げるスワンに、主はゆっくり言った。
「お前は、逃げないだろう。いや…逃げられない、かな?」
「……」
図星を突かれて黙り込むスワンに主はたたみをかけた。
「明日からの予定はわかっているな?我々第一隊は我等が男神の神殿を陥落すべ くライズに潜伏する。第二隊…お前達はその際のシトラス家からライズ家に送ら れるだろう援軍の阻止…これでライズ…いや、ライサーク地方全土は我々フラッ トのものだ。」 この日が、彼を見た最後だった。後に聞き知った事には彼の率いた軍は全滅だったという。



夢を見た、すごく懐かしい昔……正確にはたった二年前の事。
「スワンっ!」
そう言って自分の胸に飛び込んでくる少女がいた。あの日もいつもと同じ様に彼 女は立ち入り禁止にされている研究室まで、迎えに来てくれた。
ルピナスの花が満開だから、一緒に見に行かない?と……
母親にやっと許しを得て二人で太陽の森サニーイエロー・グローブへ行った 。昇り藤ルピナスは確かに紫色の花を綻ばせ、甘い香りを立ち込めていた。
透き通るほど青い空を見上げて、ぼ〜っとしていると、頭に突然さっと花の香り が降りおりた。
振り向くと花々の如く、いやそれ以上に顔を嬉しそうに綻ばせた少女がいた。
「とっても似合うわ。」
彼女が作った花冠を自分の頭に乗せたのを見て、彼女はとても楽しそうだった。
この後女の子みたいって言われて怒って彼女を追い掛けたなぁ…全部、覚えてい る。
愛おしくて、優しい時間。この直後に怒る出来事をまだ知らない、幸せな瞬間とき。 いっそ、ここで止まってほしい。これ以上は望まないから。
スワンは逃げる少女を何処までも追い掛けた。
そして何度も呼んだ。この歳にして唯一の自らの女神と定めた少女の名を。
「チェルリス!」と…。



「ん……。」
少年は意識が覚醒していくのを感じた。身体のこわばりが徐々に解けていく。腕 を強く伸ばして伸びをすると左手が堅い物にぶつかり指先が痺れた。違和感に少 年は銀色の睫毛を持ち上げる。
「あれ…ぼくは…」
元来の幼げな口調に戻っているのにも気付かず、スワンは唖然とした。
彼が横たわっていたのは堅い木製の長椅子だった、そのせいか身体が痛む。よく 眠ってしまったみたいだが身体はすっかり冷えきっていて酷く寒い。
横たわったまま見る建物の天井は普通の家よりも格段高かった。手首をついて身 体を起こす、ざらりとした木の感触がした。
そしてその場を見回して少年は息を呑んだ。
(ここは…まさか。)
四列に並ぶ百を超える長椅子、壁一面を飾る女の肖像画、白鳥の紋様で縁取り飾 られた祭壇、祭壇の上で柔らかい微笑を浮かべつつ片手に剣と鈴を掲げる水晶で 透き通る女神像…
紛れもなくこの場は一人ぼっちになったスワンが二歳で拾われてから約十年を過ごしたシグヌス地方中心、 シトラスの女神様の神殿だった。
しかし、彼にはわからない。どうして自分がここにいるのか…
カツカツと足音が響くのをスワンは敏感に察した。とりあえず先程横たわってい た長椅子の下に身体を滑り込ませ身を隠し、様子を見る。
ガタガタと扉が揺れ、開かれる。
そっと隙間から覗き込むとそれは一組の男女だった。そしてスワンはそれらが誰 だか知っている。
女性のほうは大層美しい人だ。銀色の艶やかな髪を長く垂らし純白の巫服を身に つけている。それは大層シンプルなのだが彼女のメリハリのある身体が素材感を 強め、更に豪勢な装飾品に逆によく馴染んでいる。ウエストリアの巫女、特に高 階級の者は華美な装飾品をいくつもつける事が習わしだ、物盗りなどから一番大 切な一つを盗られぬよう、欺くため。
しかしながら彼女のもっとも華美な武器は何より、容貌だった。無駄なほどに長 い睫毛、大きな瞳、ウエストリアでもっとも高貴な髪と瞳の色彩、整った顔立ち 、赤い唇…彼女の殺人的な美貌は何処か人を遠ざける、いささか一つ一つの主張 が強すぎて派手なのがいけないのか……彼女は紛れもなくこの神殿で最階級の巫 女、女神の剣姫グラジオラスである。スワンが知っている、たった一人自分 と同じ“色”を持つ人間。
もう一人も見知った人間だった。ひょろりと高い背丈に紫がかった雀色の髪を肩 まで垂らし、優し気な瞳に眼鏡をかけている。造作、面立ち共に整い、誠実な人 柄でこの辺りの女性のアイドル的存在であるこの神殿唯一正規の騎士。通称は月 夜(げつや)の騎士だ。二年前の記憶がここまで余分に鮮明である自分の知能に スワンは悲しみを覚える。
「男神の神殿で異変が生じている。」
突然剣姫が口を開いたのでスワンは驚いた。巫女の力は預言、占、先見など多彩 に及ぶが、信仰の深い家に育ちながらあまり宗教に帰依していない上近代科学的な知識を叩き込まれたスワンのあまり信用する所ではなかった。
しかし、今日は知っている、確かに今日男神の神殿では異変が起こるはずなのだ 。
急ぎの馬車でも数日かかる距離の先を見る巫女の力は本物だ…しかし今はそれど ころではない、不審がられても彼らに助けを求めなければ。

……思い出した、全てを。

猶予はもはや残されていない、一刻も早く手を打たなければ。スワンは椅子の下から這い出そうとした。しかし、今度は騎士の言葉が彼の動きを止 める。
「終末の王子…と関係があるのでしょうか」

――国を滅ぼす宿命を受けたの王子が生み落とされるという。その王子の呼び名 は…

偶然か、必然か。
この間の戦で何気なく読んでいた本の内容が胸に蘇る。大切な少女がこういった 書物が好きだった、それだけの理由で開いた書物。勿論知っている話だった、彼 女が楽しそうに自分に語っているのを思い出して、嬉しいけれど、辛かった。
「わからない、だが………!」
男性の様にはぎれのよい巫女の声がふいに止まる。
「剣姫…?」
「…シトラスの街が何者かによって攻め込まれている!」
(……!)
スワンの鼓動が強く打った。間に合わなかった、自分はそれを伝えに来たのに。
スワンがついてきた第二隊はそもそも東のライズの神殿が襲われた時街を統率す る二大貴族の一ライズ家が西のもう片方のシトラス家に援軍を頼んだ時に限って その到着を妨害するためだった。
なのに予定を変更して、シトラスに攻め込もうという命知らずな事を隊長は言い 始めたのだ。
武力誉れ高いシトラスの軍隊がたかだかライズの軍隊や他国の義兵に何度か勝っ ただけの自分達が勝てるわけはないし、スワンは元々滅多に戦闘に加わらない。
敵意のない人を傷つけたくはなかったのだ。だが、今回の彼らの目的を聞いて驚 き、強い怒りを覚えた。
街を破壊し、物品をくすねよ。
(なんて卑怯な…)
スワンの目に懐かしい姿が次々と蘇った。小等学校時代の同級生、遊びに行くと美味しいお菓 子をくれる優しい大人たち、よく遊びにいった畦道――破壊されてしまったら、きっと 彼女も悲しむ。
それが、スワンを軍から逃亡した理由。シトラスの軍隊にこの事を事前に伝える ため。やっと辿り着いたシトラスの神殿で体力の限界が尽きたのだ。
でも間に合わなかった…このまま、街が壊されるのを見ている事しか出来ないの か。
――街を、護りたいかい?
(護りたい…)
――なら、これをやろう。お前なら出来るだろうよ…
スワンの周囲は一変した。荒れ野に立つ自分の元に、ましろの鳥が舞い降りる。
「ははうえ…?」
唇が、無意識に動いた。白鳥…スワンの真実の母親は人間ではなかった、そう、 二歳になるまで自分を育て息絶えたのは純白の神鳥だった。
だが…勿論この白鳥は母親ではない。その証拠に彼の左手に禍々しい大剣を授け た。
――振り降ろしてご覧?全てが…
スワン思いっきり真実の利き腕でそれを振 り降ろした。
――破壊出来るこわせるから。
直後、神殿は崩壊した。



半分を残して崩れ落ちた神殿に、二人は立ち尽くしていた。
「どうして……今年はあちらのはずなのに。」
女神の剣姫グラジオラス――ミスト・サンライトは瞠目した。
「どうして、終末の王子が二人も目覚めたの?」

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